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概要

塩川伊一郎評伝

原料調理場二四坪缶製造場一八坪(二階建)缶詰製造所一六坪釜場六坪貯蔵荷造所一八坪事務室八坪(二階建)井戸と洗場など使っていた機械ブリキ切断器二台チンブレス二台底しめロール二台蓋切紋形、底切紋形など七台胴付器二台缶詰製造によって、桃栽培が安定することになった。生産された桃のうち、早く熟した良いものは生のまま販売した。農家にとって米が実る前の夏に現金収入が得られ、収穫が多くなると缶詰工場へ運んで加工したので、安心して桃づくりに精を出すことができたのである。桃の代金は、栽培農家の人々と相談の上で、安くしないでも充分に利益を上げることが、実証されたのである。この缶詰工場の独立という一大決心は、二代目伊一郎の考究心と企業感覚が一番発揮された時でもあった。