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概要

塩川伊一郎評伝

塩川缶話工場と従菓員たち(大正初め頃)たをして密封し殺菌蒸箱に入れて二○ 分間蒸気上昇の後、殺菌密閉蒸がまより箱を出して小孔をあけて脱気し、ハンダづけして冷い水で冷し、ニスをぬってさびを防ぐ。この缶にラベルをはって四ダースを箱につめて出荷した。桃の缶詰は、空気中の微菌を蒸殺して、再び発生したり侵入することを防ぐとともに、桃の持つ香味をできるだけ変化しないように保存することを大切に考えて作られた。そのために桃の採る時期も熟しすぎず、早すぎず、糖蜜の濃さも、二斗五升式から三斗式まで試作した結果、一斗八升式を採用するなど、細かなところまで心をくばり努力をおしまなかった。機械や道具の製造釜や道具については、小諸の与良町に古くから代々続いていた小宮山荘助(現在の小宮山鉄工所先々代社長) の協力によるところが大きかった。伊一郎父子に