ブックタイトル塩川伊一郎評伝
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塩川伊一郎評伝
ていいのやらわからない状態におかれた。その時思い出したのが鹿教湯の開墾をしていた当時、石塚シン子より与えられた、「不毛の地に対して能く一木一草を生ぜしむるものあらば、そは政治家の事業に優ること万々なり」という言葉であった。前述したように、石塚シン子は衆議院議員石塚重平の夫人で、熱心なキリスト教徒であった。彼が外に出て夢を広げようと旅から旅へとだいじな金を使っている間にも、黙々と桃栽培に労をおしまない父伊一郎の姿を知った勝太は、再び浅間山麓のやせたこの土地を立派な桃畑にしなければならないと固く心に誓ったのであった。