ブックタイトル塩川伊一郎評伝
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塩川伊一郎評伝
木イチゴは、最近の舶来小果実にして、樹性最も強健、地質・気候の如何に関せず好く結実し、勢力旺盛なり。果実は一房十粒以上密着して大房をなし、味甘酸適度にして風味佳良、販売するには枝のまま剪切して市場に搬出す可し、収益甚だ大なり。果園の周圍に植ゆるときは、僅かに一年にして堅固なる籬となり、強頑なる盗賊も潜入すること能す、故に比種を果園の籬となせば一挙両得なり、ゼリージャムに製造するときは、美味にして核に香気あり、生食すれば爽快なる佳香あり、胃腸病を治するに大効ありと言ふ、又能く美酒を醸造することを得可し、黒色種は葡萄酒の着色料として色澤を良好ならしむるが爲に使用せらるゝを以て、需要頗る盛なり。一、黒色木イチゴ一株金三銭百株金二円繁植盛んにして結実豊産なり、製造用とし醸酒用として需用多し二、赤色木イチゴ一株金三銭百株金二円果大熟期極めて長く結実堅良豊産にして市場に販売するに宜し三、最優等赤色木イチゴ一株金三十銭百株二十円ローガンベリー本種の実は最大にして鮮紅色を呈し極めて艶美なり、一種特有の芳香を有し甘味多し、生食用・医薬用として珍重せらるゝのみならず、豊産なるを以てジャムゼリーの製造原料として佳良なり。此の種はとげを有せず六尺以上に繁茂するを以て、収穫過大なる最優等種なり。其の他に最新輸入の珍種数種あり。