ブックタイトル塩川伊一郎評伝
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塩川伊一郎評伝
十三趣味と実益に宿る小果実栽培法空地利用の園芸(弊園数年の実地試験)(塩川家所蔵)小果実の栽培は、最も趣昧と実益を兼ねたる事業にして、各種の小果実を混植して果樹園となし、或は庭前屋後檣垣樹間等の廃地を利用して栽培地となすを得弧く、殊に専門的技術を要せず、何人にも容易に栽培することを得て、老人小児と雖も尚ほ能く栽培上の與深き趣味を楽しみつつ、実益ある作業に従事し得る□ 々あり。されば多大の注意を以て、庭前屋後樹陰檣垣又は田畑の畦畔廃墟等を利用して、此等の小果実を栽培し、生果或は製品として以て市場に販売せば、優に壱百円内外の利益を得ること難しに非ず。若し之を自家に使用するとせば、朝夕児女等の副食物として、或は食膳に供し、又は来客の接待に用ゐて決して不足を感ぜざるべし。此等によりて一ケ年優に五十円内外の冗費を節減するを得べく、而して菓子類を常用する如く胃腸を害する患なく、衛生上実に至大の効力あり、而して此等の小果実は害虫に罹ることなく、又年々凶作あることなく毎年一疋の収穫を収め得べし。其小果実中弊場に於て最も利益あり旦つ栽培極めて容易なりと認めたるものは、草イチゴ・木イチゴ、房スグリの三種なりとなす。因て茲に其の三種に就き簡単に説明すべし。