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概要

塩川伊一郎評伝

明治三十四年、西洋イチゴ栽培シ、幾多ノ失敗ノ後、最優良種三種ヲ発見セリ、「イキセルショール」ハ一反歩三百貫ノ収穫アリ、「カナデアンスヰート」ハ一反歩四百貫、「ルザー」は一反歩五百貫ノ収穫アリ、イチゴジャムの産額三十万個以上ニ及ヘルハ、出品人新種ヲ発見シ、ジャム製造ヲ指導シタルニ由レリ。明治三十四年、桃養合資会社ヲ組織シ、洋桃缶詰ヲナセリ明治三十七年、桃缶詰及イチゴジャムの製造所ヲ設立シ、大ニ製品ノ販路ヲ開拓セリ。明治三十八年、塩川式〓皮器同核抜器ヲ発明シ、新安特許ヲ受ケタリ、剥皮器ハ人工ノ四倍、核抜器ハ十倍ノ働キヲナシ、〓皮二於テ三十貫、核抜ニ施テニ百貫ノ原料ヲ処理ス明治四十年、第二塩川式〓皮器ヲ発明シ、発明特許ヲ受ケタリ、本器ハ女工一人ニシテ二百貫ノ原料ヲ〓皮ス、如上ノ如ク〓皮器及核抜器ノ発明ニヨリテ、洋桃缶詰業ノ盛大ヲ来シ、現今ニ至リテハ、製造所ハ北佐久郡ノミニテモ五ケ所ニ及、製品ハ四十万ヲ算スルニ至レリ。四、製造高及價格洋桃缶詰塩川伊一郎製造高明治三十八年五四ニ四〇斤五九六六四円三十九年八六四〇〇斤九五〇〇〇円四十年一一ニ六四〇斤一ニ三九〇〇円四十一年九六〇〇〇斤九六〇〇〇円