ブックタイトル塩川伊一郎評伝
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塩川伊一郎評伝
以ナレバナリ。更ニ歩ヲ転ジテ本業ガ地方ヲ幸スルノ事実ハ巳ニ其駸々呼トシテ栽培ノ拡張スルニ依テ以テ其詳説スルノ要ナキヲ知ルト雖モ、此レガ為メニ磽〓不毛ノ地ハ開発セラレ、又此レガ為ニ多大ノ労力ハ利用セラレ、殊ニ其事業ノ複雑ナルヤ、老若男女其強壮ナルト虚弱ナルトヲ論ゼズ、各々適当ノ労力ニ服スルヲ得テ、土地ニ遊民ナカラシメ以テ勤儉ノ美風ヲ養成シタルガ如キ、暗々裡ノ内ニ其ノ利益ノ埋蔵セラレテ探ル可キモノ少ナカラズト信ズ。第六篇結論本業ノ将来及砂糖トノ関係佐久ノ天地ガ其風土ニ於テ果樹栽培上幾多ノ天恵ニ浴スルヤ、己ニ縷々陳述セル處ナリト雖モ、信州ノ天地又諸般ノ果樹栽培ニ好適スルヤ、己ニ定論アリ。豈独リ信州ノミナラズ我国ノ全土亦果樹ニ適セザルノ地アラザルナシト、夫レ然ラズンバ余輩ノ経営ガ内地ノ蝸牛角上ニ競争セントスルガ加キハ其ダ愚昧ノ至リニシテ、更ニ大局ニ注目スルノ要ヲ認ム。斯クシテ其限界ヲ宇内ノ大勢ニ進メンカ、我国ノ位置タルヤ四面環海ニシテ地勢南北ニ狭長海岸線長大ニシテ富有ナル良湾良港ニ通ズル頗ル便ナルモノアリ。即チ本邦海陸ノ航海運輸ノ発達ト共ニ東洋諸国ノ開発ヲ見ルニ至ランカ、実ニ世界市場ノ中心地ヲ