ブックタイトル塩川伊一郎評伝
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塩川伊一郎評伝
一「ビルモーラン」果粒中等鮮紅色六月上旬成熟シ強健ナル種類ナリ。製造用トシテ好適ナルモ酸味多シ収穫ハ中等ナリ。一「ドクトルモーレー」大粒淡赤色甘味多ク生食ニ可ナルモ、製造用トシテ好適ナラズ。本種移植ノ次年ハ非常ノ豊産ナルモ其次年ヨリハ変種シテ収穫大ニ滅ズ。一「イキゼルショール」最早生ニシテ五月下旬成熟ス。深紅色果粒中等宵ノ締リ良ク製造及生食ニ適ス。繁殖旺盛ニシテ豊産ナル良種ナリ。一「ビクトリヤ」大形淡紅色ニシテ中心白色ナリ。六月中旬成熟ス。頬ル豊産ニシテ甘味アリ。生食用トシテハ良好ナルモ製造用トシテハ可ナラズ。製造品ノ色澤不良ナリ。一「ルザー」大果、豊産、六月下旬成熟ス。製造用トシテハ佳良ナリ。密植ニ過グルトキハ色澤不良ナリ。三栽植苺園ハ一面ニ彌蔓セシムルトキハ通風悪ク果実成熟ノ時ニ及ビテ腐敗シ、又密植ニ過ギテ開花スルモノ少ナク、或ハ病害ニ罹ルモノ続生シ、収穫大ニ減少ス。現今ハ畦二尺ニシテ苺株ヲ畦間ニ密生セシメ、新株ハ旧株ノ交替ヲナサシム。(結果セル旧株ヲ除キ新株ヲ繁殖セシムル法)四手入除草ハ春四月初旬、五月上旬及下旬、七月初旬、八月初旬ノ五回ニシテ一回五人手間ヲ要シ肥料ハ四月第一回、除草後、従来血粉七貫五百匁骨粉十五貫金額七円五十銭ヲ標準トシテ之ヲ用ヒシモ、近来該肥料甚ダ騰貴シタルヲ以テ近来ハ硫酸「アンモニヤ」及過燐酸石灰ヲ施用セント欲スルモ苺ハ株ノ枝葉上ヨリ直接撒布セサレバ甚ダ有効ナラズ。然ルニ此等肥料ハ往々枝葉ヲ傷害スルハ甚ダ遺憾トス