ブックタイトル塩川伊一郎評伝
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塩川伊一郎評伝
往時の面影を残す塩川伊一郎家(平成7年8月撮影)信頼が厚かった。二代目伊一郎は、明治二年(一八六九)伊一郎―きよ夫妻の長男として生まれ、幼名を勝太といった。勝太は、小学校を卒業したあとヽ家業を手伝っていたが、小諸町にあった中山義塾へ入って、漢学の勉強をはじめた。勝太は小さい時から本を読むことが好きでヽ新しい世の中の動きに心を動かされていたので、学問で身をたてようと考えていた。二年にわたってむずかしい漢文に凱ち向かっていた勝太は、文明開化の進んでいる東京に臨て、新しい学問を修めようと志した。父の棟梁の稼ぎと、母の田畑からの農業収入では、生活に多くの余裕があるわけではなかったが、息子の強い意志をみて父は上京を許した。時に勝太十七才の.止月であった。明治十八年一月六日、勝太は、凍りつくような碓氷峠を越えて高崎から汽車に乗りヽ上京した。早速東京