ブックタイトル塩川伊一郎評伝
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塩川伊一郎評伝
第三編洋桃缶詰製造業一班第一章洋桃糖煮缶詰製造法一原理凡ソ物ノ腐敗スルハ徴菌ノ発生ニ因ルモノニシテ、微菌ハ何レノ處ニモ存在シテ発生ノ機会ニ接スルトキハ猛然蕃殖シテ腐敗作用ヲ呈スルモノナリ。缶詰トハ鉄葉板缶中ニ肉類及ビ果実ヲ詰メ密封シテ空気ヲ遮断シ、品物及ビ空気中ニ存在スル微菌ヲ蒸殺シ以テ再ビ発生或ハ侵入ノ機会ナカラシメタルモノナレバ、或ル一定ノ期間内ニ於テハ決シテ腐敗セザルノミカ、更ニ香味等ニ変化ヲ及ボスコトナク安全ニ保存セラル。故ニ果実ノ如キモ亦盛ニ缶詰法ニヨリテ保存セラルルニ至レリ殊ニ桃果ノ如ク短時日ニ成熟シ生果トシテ其保存力其ダ短キモノハ缶詰法ニヨリテ保存スルニ若クハナシ。二原料ノ処理桃ハ過熟ノモノハ缶詰トシテ果肉爛漬シ糖液混濁シテ宜シカラズ。未熟ノモノハ有機酸弱クシテ酸味多ク肉硬クシテ缶詰トナス可カラズ。将ニ熟セントスル三日前ニ採集シタル果実最モ適当ナリ。果ノ溝ニ沿フテ包丁ニテ打ツトキハ容易ニ縦断セラル可シ。縦断シタル果実ノ半片ヲ塩川式〓皮器ニテ〓皮スベシ。〓皮終了スルトキハ塩川式核抜器ニテ刃ヲ果核ノ両端ニ当テ柄ヲ握リ締メルトキハ核ハ分離セラル可シ。コレヲ水中ニ浸シテ酸化ヲ防止ス。若シ酸化スルトキハ赤鍋色トナリ外観甚ダ