ブックタイトル塩川伊一郎評伝
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塩川伊一郎評伝
肥料反三円七十五銭春秋二回一回下肥一塚四荷計四十貫五十三円三十銭ニ荷一駄一円の割一〇六、六○ 〇一施肥二回一人四塚一回拾人計弐拾人六、〇〇〇一中耕四回一人四塚一回拾人計四拾人一二、〇〇〇一株直一人二塚計二十人八、〇〇○小計二八八、六○ ○一収穫十六株一束計十束一塚八円四十塚計三二〇、〇○ 〇差引利益金参拾壱円四拾銭(並の大きさ)一カ年平均金三円拾四銭以上二例ト比較スルニ其利益実ニ古諺ニ所謂宵懐ノ差トハ此レ之ヲ云ウナル可キカ。サレバ近ク僅カニ数年ニシテ数十倍ニ拡張シ桃樹ヲ栽培セザルハ農家ニアラザルガ如ク、今ヤ近郷数方里ノ間春暖ノ候信越線ノ鉄路ニ跨リテ、南方蓼村八ケ岳ノ崚嶺ヲ望ム其ノ間、北方浅間山ノ雄烟ヲ仰カントスル其瞬間、必ズ紅々薄朱満朶ノ桃花或ハ霧ノ如ク或ハ蝶ノ舞フガ如ク醉客瓢ヲ叩イテ歌ヒ狂スルヲ見ル所以ナシトセンヤ。以上己ニ述ブル如ク当地方浅間山麓拾敷方里ニ渉ル土壌ハ同火山ノ噴火ニヨリテ成レルモノナレバ、殆ド其構造同様ニシテ礫ノ含有ニ多少アルカ或ハ砂質ノ強弱アル壌土地ニシテ下屑ノ構造ニ至ツテハ殆ド同一ナリ。即チ火山ハ屡々噴出セル溶融岩漿其都度次第ニ放冷凝塊シテ磐屑ヲナシ累積シ、次第ニ風化作用ヲ受ケテ甚ダ脆弱トナレル礫質岩ナリトス。故ニ其ノ凹キハ怱チ流水ノタメニ欠潰シ流去一