ブックタイトル塩川伊一郎評伝
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塩川伊一郎評伝
其主ナルモノヲ挙ゲンニ之ヲ製造セバ洋桃糖煮罐詰、同「ジャム」、「ヒーチ」、「ブランデー」、乾果砂糖煮、「シロップ」、「桃ゼリー」、桃羊羹、炭酸瓦斬含有飲料、桃酒等アレドモ、現今当地方ノ主要ナル用途ハ過半ハ生果ニテ販売セラレ其半数ハ糖煮罐詰ノ原料トナリ加熱シテ運搬ニ堪ヘザルハ「ジャム」ノ原料トナリ、製造ノ外皮ハ桃酒ノ原料ニ供セラル。第十一章販路及価格ノ変種東方面ハ東京、横浜、高崎、前橋、桐生、足利、松枝地方及西方面ハ上田、長野、諏訪、松本、高田、直江津等ナリ。販路ハ前記ノ如ク広大ナリト雖モ、値段ニ高下アリ。時ニ腐敗ノ惨害ヲ被ルコト少カラズ。桃ハ果肉柔軟ニシテ損傷シ易ク、殊ニ盛夏ノ候ナレバ幾日モ貯蔵スルコト能ハズ生果販売トシテハ甚ダ不安定ナルヲ免レズ。然レドモ当業者販売組合ヲ組織シテ個々ノ競争ヲ避ケ冷蔵倉庫貯蔵ノ方法ヲ利用シ、一時ニ累積スル多量ノ出荷ヲ制限シ、暫次冷蔵貨車ニ依リテ輸送シ蒸熱ノタメ敗肉スルヲ避ケ、以テ細心留意、熟練者ヲシテ販売セシメ大利ヲ博スルニ至ル可シ。価格ハ明治二十八年ハ百貫匁金四拾圓、同卅年ハ三十圓、三十二年ハ二十五圓、三十四年ハ二十圓、三十六年ハ拾八圓、卅八年ハ十六圓、四十年ハ十二圓、四十一年ハ十五圓ナリトス。