ブックタイトル塩川伊一郎評伝
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塩川伊一郎評伝
施肥ハ開花前一回ニ施スヲ可トスレドモ、果実成熟ニ近キ往々落下スルコトアリ。多クハ燐酸肥料ノ欠乏ニ因ルカ如ク、此ノ如キ場合ニハ速ニ硫酸「アンモニヤ」及過燐酸石灰ヲ混合施用ス可シ。又七八年目後ヨリハ木灰五百匁乃至一貫匁ヲ増施シ、或ハ硫酸加里ヲ加用スルモ結果ヲ奏スルモノナリ。第七章患害ノ種類及防除法当地方ハ冬季寒酷烈ニシテ年間乾燥シ排水極メテ佳良ニシテ、果樹ニ對シテハ絶好ノ天恵ニ浴スルヲ以テ諸種ノ害虫ハ其発生発育ヲ妨害セラレ微菌類モ亦タ従テ少ナク、被害ノ程度伯ラ他ニ比シテ軽微ナリ。然レ共栽培面積ノ拡張ト共ニ嘗テ甚シカラザリシ病虫害モ次第ニ生殖ニ好境遇ヲ与ヘラルルノ機会ヲ生ジ気候変化ノ過々誘フコトモアランカ猛然トシテ其虚ヲ突カントスルノ場合ナシトセズ。又新病虫害ノ輸入ノ如キ又常ニ注意怠ル可カラザルモノナレバ、徒ラ天恵ニ甘ンジテ人爲ヲ尽サザルガ如キハ決シテ策ノ得タルモノニアラズ。依テ現今知ラルル所ノ一班ヲ左ニ掲ゲン。一凍傷初春樹液ノ循環旺盛トナリ、発芽開花ヲ催サントスル頃、俄然トシテ温度低下シ結霜下雪トナルコト少ナカラズ。此際葉ハ萎縮病トナリ、又ハ膨張シテ恰モ人ノ火傷ト同一徴候ヲ呈ス。而シテ温暖ノ候ニ至リテ脱落ス。病葉自然ニ脱落スルニ委スルトキハ樹勢衰へ結実ハ落下スベシ。之ヲ予防スルニハ開葉後猶予ナク、其病葉ヲ摘除ス可シ然ルトキハ被害ヲ免ル可シ。花モ亦凍傷ヲ被リ花梗白変シテ脱落ス。然レドモ花ハ一芽ニ一花若クハ二花ヲ存スレバ、結実ニ差支