ブックタイトル塩川伊一郎評伝
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塩川伊一郎評伝
芽ノ発育ヲ助ケ三年目ニハ直立シタル徒長枝ヲ剪除シ密生シタル枝梢ヲ截除シ、其他ノ枝梢ハ長梢ハ梢々強ク短梢ハ僅カニ其梢頭ヲ剪採シ、以テ結果枝ヲ養成スルト同時ニ可成内方ヲ疎除シ外方ニ拡張セシム可ク、二三ノ主枝ヲ養成ス。此クシテ四年後殆ント同様ノ方式ニ依ルモ専ラ冬期剪定ノ一回ニシテ夏季緑枝剪定ヲ行フコトナキモ敢テ徒長ニ過クルコトナク、能ク花芽ヲ結ブ。己ニシテ十一二年ニ至レバ主枝ノ高サ六尺以上トナリテ樹勢自ラ衰弱シ、下方ニ結果枝ヲ生スルコト少ナク従テ剪定ニ摘果ニ或ハ収穫ニ病虫害妨除等ノ保護手入ニ不便不尠ニ付、適宜主枝ヲ伐採シテ新梢ヲ発セシメ旧幹ト更新ス。十年前ト雖モ樹勢衰弱ノ程度如何ニ依リ其衰弱セル枝ハ短ク剪定シテ勢力ヲ回復シ、或ハ適宜主枝ノ各部ヲ伐採シテ新梢ヲ発生セシメ、以テ旧枝ニ更新ス。往々此際樹種ヲ改良スル爲メ二三ノ強壮ナル接穂ヲ切接法ニ依リテ行フコトアリ。此法ヲ行フトキハ能ク接着スルモノナリ。第六章耕耘肥培除草ハ春開花前即チ四月下旬、五月下旬、六月下旬、七月中旬、八月中旬、九月中旬ノ六回ナレドモ栽植当時二三年間ハ大抵間作ヲナスガ故ニ特ニ行フモノナリ。其後ハ必ズ之ヲ行フ。器具ハ幅一尺二寸ノ大除草器(万能) ヲ使用スルガ故ニ一反歩凡ソ二人ノ行程ナリ。元来果樹園ニ於ケル雑草ノ繁茂ハ土中水分ノ蒸発ヲ促シ、且ツ地温ヲ低下シ果樹園ノ乾燥ヲ来シテ、果樹ノ結果品質ヲ劣悪ナラシムルモノナレバ勉メテ行フヲ可トス。又間□ニ依リテ間作ヲ永績スルモ共ニ不利ナリ。