ブックタイトル塩川伊一郎評伝
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塩川伊一郎評伝
一「アムスデンジユレ」中三種アリ。早種粘核種ニシテ其外皮鮮紅色果形中大ニシテ圓形全果稍々同一ニシテ大小不同ナク七月中旬ニ熟ス。樹ハ強健ニシテ害虫ニ罹ルコトナシ。中熟種ハ外皮曇紅色、或ルモノハ大果、或ルモノハ小果ナリ。樹勢中等、七月下旬ニ熟ス。晩種ハ中熟種ト樹勢果形殆ント同一ナレモ、果ハ大小不同ニシテ結実ハ前種ヨリ少ク、八月下旬ニ熟ス。「アムスデンジユレ」種ハ概して盛季一株十貫匁以下ナリ。市鬻ニ適シ又罐詰ニ適ス。二「アーリーリバー」系種浅間水蜜桃本種ハ先代ノ発見スル所ノモノニシテ、当郡ニ洋桃栽培事業ノ勃興セルハ本種ノ発見ニ依ル。桃園ヲ設立スルニ本種ノ移植割合ノ多少ニヨリテ桃園ノ収支ニ影響シ本種ノ移植ナキ桃園ハ損害失敗ノ悲境ニ陥レル実例ニ乏シカラス。浅間水蜜桃ハ粘核種ニシテ果形正圓ニ近ク、外皮日光ニ面スル部分淡紅色ニシテ、其他ハ青白色果肉白色、甘味多ク漿液ニ富ム。樹勢強健、最モ土質ニ適シ、害虫ト霜害トニ罹ルコトナシ。盛季ハ一株二十貫以上ノ結実ヲナシ市鬻及ビ罐詰トナスニ適スル最良種ナリ。八月上旬ヨリ成熟ス。三天津水蜜桃ハ大果ニシテ内質硬ク外皮及果肉力赤色ナリ。味ヒ宜シカラズ。然レドモ輸送ニ適シ又他果ニ比シテ保存力久シキヲ以テ市鬻ノ目的ニテ栽培ス。罐詰トナストキハ鉄気ノ爲メニ罐詰ノ「シラップ」ヲ変色シ黒色トナス外観悪キヲ以テ罐詰ニ使用セズ。樹勢中等害虫ノ患ナシ八月中旬ニ熟ス。四「ダブルモウンテン」ハ離核種ニシテ浅間水蜜桃ニ酷似スルモ形小ナリ。樹勢強健ナルモ結実少ナシ。八月中旬ニ熟ス。