ブックタイトル塩川伊一郎評伝
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塩川伊一郎評伝
度ニ抑止セラレテ花芽ヲ多数附スルヲ以テナラン。施肥法桃園ニ於テハ樹根ノ成長繁茂充分ナル爲メニヤ、敢テ其施肥法他ト異ナル所ナキモ果樹ノ窒素多量ハ種々失敗ヲ見ルモ、本地ハ其土地甚タ瘠薄ナルカ爲メ比較的多量ヲ要ス。苺栽培ニ於テハ窒素肥料ハ必ズ茎株上ヨリ直接施サザレバ其肥効甚ダ乏シ。此レ土性ノ窒素吸収量ノ甚タ乏シキニ依ルナランカ。此亦風土ノ教フル處タリ。病虫害ノ防除気候乾燥ナルト冬気寒威凛烈ナルガ爲メ発生甚ダ少ナク爲メニ防除ニ手数費用ヲ要スルコト従ツテ少ナシ。第二章種類創業当時ニ於テハ専ラ生果販売ノ目的ナリシ爲メ当時世人ノ此等ニ對スル嗜好ハ甚タ進歩セズ。洋桃ト云ヘバ天津水蜜桃ノ歓迎セラルル状況ナリシ故天津種ヲ主トシ併セテ上海種ヲ栽植シ傍ラ各種ヲ栽植シテ其適否ヲ比較研究シ、次第二「アムスデンジユレ」「アーリーリバー」種ヲ増殖セシニ、時勢ノ変遷ハ次第二天津種ヲ排スルニ至リタルト、生果販売ノ一途ニ出ツルノ危険ナルヤ、罐詰製造ヲ始ムルニ至ツテハ天津種ハ殆ント取ルニ足ラサルヲ以テ漸次改植シ、現今ハ「アムスデンジユレ」「アーリーリバー」ノ両種ヲ主トシ、其他ノ洋桃種ヲ合セテ約七分、支那種水蜜桃三分ノ割合ナリ。今主ナル種類ニ就テ其特性ヲ摘記スレバ左ノ如シ。