ブックタイトル塩川伊一郎評伝
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塩川伊一郎評伝
台湾・奄美大島行きを記した日記を作ルモ見ユ。遙カニ桜島山ヲ望メバ、海中屹立ス高峻ナリ、雲ノ為ニ頂上ヲ蔽ワレテ見ルヲ得ザルハ残念ナリ、桜島ト市トノ間ハ即チ鹿児島港ナリ、小舟ハ輻輳セス、大船ハ汽船ニシテ、十艘余モ碇泊セリ、密生セル竹藪ヲ分ケテ行ケバ、山上少シク凹キ處ニシテ平ナル處アリ、是レ城ト言フ、此處ヨリ少シク北ニ下レバ又廣ク長キ平地アリ、楠ノ五抱六抱ノモノアリ、楠島砦ト言フ、西方ニ下レバ急ニシテ底ニ家アリ、児玉ト言フ士族ノ居ト言フ、庭二種々ナル樹木ヲ植ニ甚タ清閑ナリ、之ヲ南方ニ登レバ高クシテ遙ニ熊本ノ方ニ通ズル道路ヲ見ル、横田村アリ、宏大ナル建築ハ鎮台ナリ、峰巒重畳ノ間ヲ縫フテ熊本ノ方へ通ズルナリ、猶ツケノ馬場ニ登レバ、其ノ下ハ深谷ニシテ篠竹密生シ其ノ昔杉楠樹高ク蔽フ、此ノ辺ニ洞穴アランカト下レバ、晝モ暗々トシテ微カニ日光ヲ見ルノミ、篠竹密生シテ歩スベカラス、分ケツツ漸ク暗路ヲ踏ミ此ノ深谷ヲ行ク、處々ニ土ヲ穿テルヲ見ル、是レ山ノ藷