ブックタイトル塩川伊一郎評伝
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塩川伊一郎評伝
信州の園芸王は正に日本に置ける園芸界の王冠を戴かん哉。▲発明技能と国家観念冀くは塩川氏を目して、単に園芸に熱中する木強漢となす事勿れ、彼れの思想は緻密にして、其精神は高潔なり、吾人は茲に氏の発明に係る数種の農具を紹介し、その発明的才能と曽て熄まざる公共的行伊一郎は各種の器械類を考案した提出された実用新案登録願い書動を窺はんと欲す。氏の缶詰事業漸く盛大を来すの時に当り、彼を悩ましめたるものは、桃果の皮〓ぎ及び核抜の為に少からざる手数を要すること是なり、氏乃ち焦心苦慮幾度か考案を廻らして、遂に皮〓器械並に核抜器械を発明し、明治卅八年之が専売特許権を得たり、其簡便にして巧妙なる、従前に比して殆ど五倍以上の操業を為すを得工女一人一日の業は、優に数百本の缶詰を作り、工場経済に莫大の効果を奏せり、信州の果実缶詰が本邦第一の生産額を占むるは、実に該器の発明に其源を発す、氏は更に缶詰の廃物、薄板、新聞紙等を利用して害鳥駆除器を案出し、専売特許権を得たるもの数種あり、此器は隼鷹の威容を備へ、翼に風を受けて廻転すれば寄響を発し、又は鷹の