ブックタイトル塩川伊一郎評伝

概要

塩川伊一郎評伝

二未掲載資料一実用新案登録に関する係争資料桃の核抜器械の実用新案登録について、明治三十九年十月、塩川缶詰合名会社と日本桃養株式会社との間に係争がおきた。伊一郎は、明治三十八年八月に「塩川式果実核抜器械」（実用新案第三五四号）を出願し、桃養社は明治三十九年九月に「缶詰用洋桃核取鋏」（実用新案第三二七三号） を出願していた。伊一郎は、「実用新案登録無効請求」を提出して、後者は前者に類似したものとして、登録の無効を請求した。これに対し、桃養社は同年十二月十日、答弁書を提出、両者は構造、作用において異なるものであり、これら器械類は創業時から指導を受けた豊田吉三郎氏の発明であると反論した。その後、伊一郎の請求が認められ、両者は和解をするにいたった。二「木村熊二と桃」（菊池麟平著） （『佐久新聞』昭和五七・四・一〇から連載）熊二と伊一郎の関係について詳しく記述されているが、伊一郎の遺族について述べた六回と七回の塩川家の人々には大きな誤りがある。塩川幸太氏、三四郎氏、孝吾氏などは同じ三岡森山の塩川一郎氏の家系の人であり、伊一郎の遺族ではない。