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概要

塩川伊一郎評伝

かり大変興味深い。また、伊一郎の人柄がにじみでている文章である。(読みやすいように、適宜句読点を付した。)八長野県北佐久郡三岡地方洋桃及苺栽培并缶詰製造業経営書(二代目伊一郎自著) (東京女子大学比較文化研究所所蔵)明治四十二年に二代目伊一郎が、二〇年間にわたって桃栽培さらには缶詰製造などに精根傾けて研究してきたことを伊一郎自身の手によって書かれた貴重な資料である。その沿革の部分には、明治二十二年から、苗づくりにはじまりその増殖の苦労など、北佐久地方に桃園がどのように拡大発展していったのかが克明に記されている。九洋桃の利益及危険に就て(二代目伊一郎自著) (塩川家所蔵)桃の栽培が利益になることがわかると、近隣の村人たちが桃づくりに取り組むようになった。しかし栽培法や病害虫の防除についての知識がないと失敗することが多かった。この文は栽培を志す人々への奨励と警告を行ったものである。十桃養合資会社定款(東京女子大学比較文化研究所所蔵V桃の栽培が成功すると、大量の桃が生産され、生のままでの販売では売り切ることができなくなった。そこで木村熊二の導きによって、はじめて小諸につくられた缶詰会社の定款である。十一果樹害虫駆除予防組合規約(塩川家所蔵)病害虫の駆除は、一桃園で行なっても、他の農園から広がってくる。そこで同じ桃栽培をしている人