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概要

塩川伊一郎評伝

四佐久の園芸王(『信濃毎日新聞』明治四一・一〇・二五?)この資料は、『信濃毎日新聞』に一〇日間にわたって連載された記事を、そのままのせたものである。桃栽培が佐久の地でひろく栽培されるようになって、世の中の高い評価を受けるようになったので、記者が取材して記事にしたものと思われる。五塩川伊一郎氏(「農界人物」『農業世界』第六巻第一二号明治四四・九・一博文館刊)当時全国的に有名な出版社博文館より発行されていた月刊誌『農業世界』の特別記事として、二代目塩川伊一郎の半生を紹介している。特に伊一郎を立志伝中の人物として描いてはいるが、論調が、単に伊一郎を賞賛するだけでなく、地域の人々の救済のために尽力した姿をとらえている。明治時代特有の筆法ながら、よく伊一郎の人物像を描いている。六浅間山麓の一偉人(『青年之友』第一三号明治四四・一一・一新公論社刊)『農業世界』とほとんど同時期に出版された月刊評論誌。日本の未来に若者の奮起を期待するという姿勢の評論が目立つが、二代目伊一郎の半生を簡潔にまとめてある。『農業世界』と同じく、伊一郎の事業姿勢が、細民救済にあったことを強調している。七台湾・奄美大島紀行(二代目伊一郎日記より) (塩川家所蔵)伊一郎が、台湾・奄美大島旅行中に持参の小さなノートに書きつけたメモや日記をまとめたものである。はじめは鉛筆で書いていたが、途中で芯がなくなってしまったのか、終わりの部分はペンで書きつけてある。旅行の様子がありありと目に浮かぶとともに、当時の鹿児島や関西の状況がきわめてよくわ