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概要

塩川伊一郎評伝

進んだ考えであった。殺蛾燈は苗代、果樹園、野菜畑とどこでも使えるので、この製品には注文があった。遠くの地からも問い合わせがあったが、送ることがむずかしいので「返信料をそえて申込めば、くわしく回答する」と返事を書いている。「各地に代理店をおいて製造販売の権利をゆずる」といっているのも伊一郎らしい。ちなみに桃や缶詰販売の特約店が日本各地にたくさんあったので、伊一郎にとってはあたりまえの考えで「斯る有益の品をひろく配布するのは、亦吾人国に盡す道なるをもって… … 」と語っているところからヽ害虫駆除に対しては消毒法ばかりでなく、真剣に取り組み、世のため人のためにと日ごろから考えていた伊一郎の生きざまがくみとれる発明である。